自分らしさについて考えたことがありますか?
「私はこういう人間だ!」と思っても、ふとした瞬間に「そうではないかも」と思ったことはありませんか?実は、それでいいのです。人間の性格や特徴は単純ではなく、さまざまな面を持っているのが普通です。異なる状況で、異なる顔を見せるのは当たり前のことです。
例えば、一人でいる時、家族と過ごしている時、友達と一緒にいる時、恋人と時間を共有している時、職場で働いている時、趣味の仲間と過ごす時、見知らぬ人々の中にいる時など、それぞれの場面で少しずつ違う自分がいるのではないでしょうか?
だから、「私はこういう人間だ!」と決めつけてしまうと、自分を縛ってしまうことになります。確かに「こういう傾向がある」というのはあるかもしれませんが、それが全てではありません。
「裏表がない人」と言われる人でも、実際にはいろいろな顔を持っています。喜怒哀楽と同じように、その場に応じて自分の立ち位置を見極め、それに合わせて行動しているのです。
人生は自分が作り上げるシナリオで、主役も演出も自分自身です。例えば、高級なホテルのラウンジに行くと、少し気取った感じになりますよね?それは無意識にそのホテルにふさわしい自分を演じているからです。しかし、「自分らしさ」はそれぞれにあり、「自分らしさ」に加えて「高級ホテルにふさわしい自分」が出来上がるのです。
初めて高級ホテルに行くと少し緊張するかもしれませんが、何度も行くうちに慣れてきて「高級ホテルに慣れた自分」が現れるのです。また、「自分の道を行く」タイプの人で、どこに行っても堂々としている人もいます。
人それぞれの生き方があります。例えば、ある女優がラウンジに行くときの雰囲気と、別の女優が行くときの雰囲気は違うでしょう。同じ役を演じても、その演じ方が異なるように、それぞれの「自分らしさ」があります。
「ミステリアスな女性」というテーマがあったとしても、その演じ方は人それぞれです。役を演じる際には、そのキャラクターの背景を考えます。どんな家庭で育ち、どのような日々を過ごしているのか、親子関係や恋愛の状況などを想像し、「ミステリアスな女性」を作り上げるのです。
ミステリアスな女性も24時間の生活があります。架空の人物でも、このようにさまざまな角度から掘り下げることで、その人物にリアリティが生まれるのです。現実のあなたも、一つの顔だけではありません。全てを合わせて「あなたらしさ」が形成されるのです。
あなたは自分自身を知っているはずですが、客観的に見ることは難しいため、よくわからない部分もあるでしょう。しかし、本能的には自分を理解しているはずです。どんな自分であっても、輝いている自分も、悲しんでいる自分も全て「自分」なのです。その自分が人生のシナリオに合わせて演じているのです。
演出家も自分自身ですから、笑うのも泣くのも怒るのも自由です。演出の仕方も自分次第で、選択肢は無限にあります。周りの目を気にしていたら、思い切り演じることができません。それが「自分らしくない」状態です。
自分の人生、自分の舞台なのですから、思い切り楽しんで「あなた」という役を演じてください。演じるというのは、その場に最もふさわしい自分を表現することです。服装も行く場所によって変えるように、高級ホテルには部屋着で行かないでしょう?
泣きたいときには泣くのが自然です。無理に笑顔を作っても心が泣いていると美しい笑顔にはなりません。ただ、我慢しなければならない場面もあるでしょう。しかし、その時は自分の感情を認識した上で我慢しているのです。
ドラマでも「この人、泣くのを我慢してるな」と感じるシーンがありますよね。そして一人になった途端に泣き崩れる。自分の感情をしっかりと把握してあげてください。そうしないと豊かな人生を送れなくなります。
泣くのを我慢したいなら「泣きたいけど、今は我慢している」という気持ちで我慢し、その気持ちをどこかで解放することも大切です。我慢ばかりしていると、別の形で感情が爆発してしまいます。一人の時に思い切り泣いたり怒ったりすることが必要です。
あなたはあなたの人生の主役です。演技者はその役の全てを理解し、それを加味して演技をします。だから、自分自身をしっかりと理解するよう努めてください。そうすることで、素晴らしく豊かな人生を送れるようになります。
自分の中には多様な側面があり、それらが組み合わさって「自分らしさ」を形成しています。どんな場面でも、その場にふさわしい自分を見つけ、それを楽しむことが重要です。自分を縛らず、自由に表現することで、真の「自分らしさ」を発見することができるのです。
周りの目を気にせず、自分の感情に素直になり、自分自身をしっかりと理解しながら、自分の人生を演じていきましょう。自分が演じる人生の主役として、自分らしさを存分に発揮して、豊かな人生を送ってください。
ずぼらだったりだめだったりする自分と、できる女[男]である自分と、たくさんいて良いんです。