駄菓子の起源や発展について、年代ごとにまとめました。あくまで参考資料等に基づいているため、必ずしも正確な情報とは限りません。ご了承ください。
ここでは、駄菓子と駄菓子屋の歴史をまとめています。複数の情報源を参考にしているため、必ずしも正確ではない場合がありますが、できる限り精度を高めるよう努めています。
①江戸時代前
駄菓子の前史として、雑穀類や水飴を練って作られた一文菓子が起源とされています。
② 江戸時代
駄菓子の名前が初めて登場したのは18世紀前半で、上菓子に対する庶民の菓子として位置づけられました。材料には黒砂糖やザラメが使われていました。
③ 明治・大正・昭和前半
– **1899年**: 森永製菓の前身が創業
– **1910年**: アメハマ製菓の前身「飴浜製菓所」が創設
– **1912年**: 森永製菓株式会社へ改称
– **1913年**: 森永キャラメルが発売
– **1919年**: セイカ食品設立
– **1921年**: カルミン(明治製菓)
– **1922年**: 江崎グリコ創業
– **1924年**: ボンタンアメ(セイカ食品)
– **1927年**: サイコロキャラメル(明治製菓)
– **1933年**: ビスコ(江崎グリコ)
この時期、駄菓子は地域限定の郷土菓子としても発展しました。
④ 戦中
砂糖の輸入が進む一方で、戦時中の砂糖配給制により駄菓子は衰退しました。
⑤ 戦後(1945~1958)
– **1947年**: 元祖ジャム菓子・梅ジャム(梅の花本舗)
– **1948年**: オリオン創業
– **1949年**: シマダのラムネ菓子
– **1951年**: パインアメ、ココアシガレット(オリオン)
– **1952年**: トンガリ
– **1953年**: 大当ガム、パラソルチョコレート
– **1955年**: 前田のクラッカー、カタヌキ、ビンラムネ、耕生のフルーツ引
– **1957年**: さくら大根(みやま食品工業)
⑥ 成長期(1959~1969)
– **1959年**: ベビースターラーメン、オレンジマーブルガム
– **1960年**: 梅ミンツ
– **1961年**: モロッコヨーグル
– **1962年**: チロルチョコ
– **1963年**: フエガム、クッピーラムネ
– **1964年**: チョコバット
– **1965年**: チョコボール、コーラシガレット
⑦ 新味覚期(1970~1975)←ブログ主の子供時代
– **1970年**: もちにっき
– **1973年**: 森永ラムネ、フエラムネ
– **1974年**: FELIXフーセンガム
⑧ マーケティング期(1976~1979)
– **1976年**: 餅太郎、セコイヤチョコレート
– **1977年**: カットよっちゃん
– **1978年**: ホームランガム、ミニコーラ
– **1979年**: うまい棒(サラミ味、ソース味、カレー味)、ドンパッチ
⑨ 複合期(1980~1989)
– **1980年**: うまい棒(チーズ味、バーガー味、やさいサラダ味)、アワモコモコ、ポテトフライ
– **1981年**: キャベツ太郎
– **1982年**: 蒲焼さん太郎
– **1983年**: スモカップ
– **1985年**: フルーツの森、どんぐりガム、プチプチうらない
– **1986年**: スーパービッグチョコ、ねるねるねるね(知育菓子)
– **1987年**: あわ玉、BIGかつ
– **1988年**: わたパチ
– **1989年**: ヤングドーナツ、うまい棒(チーズ味、めんたい味)
⑩ 低迷期(1990~1999)
– **1990年頃**: タラタラしてんじゃね~よ、ウメトラ兄弟、まけんグミ
– **1991年**: 松田食品が、おやつカンパニーに。
– **1992年**: うまい棒(コーンポタージュ味、なっとう味)
– **1993年**: ガブリチュウ、超ひもQグミ、ブタメン
– **1994年**: ブラックサンダー、らあめんババア
– **1996年**: キャンディーボックス
– **1999年**: うまい棒チキンカレー味
⑪ チェーン店期(2000~2012)
– **2000年**: チョコエッグペット動物シリーズ
– **2001年**: うまい棒(エビマヨネーズ味)
– **2004年**: 国産卵黄かぼちゃボーロ
– **2005年**: タラタラスティック、もちもちきなこ、にぎれるスティックボーロかぼちゃ
– **2007年**: ビスコ保存缶
– **2009年**: うまい玉カルシューチョコ味
– **2010年頃**: ロールキャンディー
– **2012年**: マヨたら、うまい輪
⑫ 絶滅危惧期(2013~2020)
– **2014年**: へんそうチョコ、プレミアムうまい棒、わたゴン
– **2015年**: ロングネックマシュマロ
– **2017年**: フルーツ棒、イケ麺サンダー
– **2018年**: マイコス、キャンディーソースボックス、うまい棒(レモンスカッシュ味)、フルーツモンスター、サワーストロー
– **2019年**: リッチな牛カツ屋さん、ミニモンスター
– **2020年**: 新うめぇ~王、パーティポップ、うまい棒パズドラ ドラゴンビスク味、トマッチーノ、大学いも(チロルチョコ)、ブタメン焼きそばとんこつ味
原材料の高騰、後継者不足、人件費の増加などにより、もともと薄利多売の業界であった駄菓子業界は、駄菓子屋だけでなく駄菓子メーカーにも大きな影響を与え、生産中止になる製品が増えています。海外生産の駄菓子も増え、商品構成が大きく変動しました。例えば、ポリッキー、なが~いメジャーいか、サイダーグミ、ロールキャンディは中国製、駄菓子屋なまあずで人気の焼たらはマレーシア製、1.2.3snackもマレーシア製です。モグチューは韓国製、サワーペーパーキャンディはタイ製と、国内流通する駄菓子の1~2割が海外製造品となりました。また、プレミアムうまい棒のように、値上げではなく付加価値で価格を上げる商品も登場しました。
駄菓子メーカーの廃業もありました。例えば、さくら大根を製造していたみやま食品工業が2019年に廃業し、遠藤食品に引き継がれました。ビンラムネは千葉県のメーカーが昭和30年代に考案・製造していましたが廃業し、現在は岡田商店が製造しています(平成30年から製造休止中)。
2015年には「日本一のだがし売場」がオープンし、観光バスが多く停まれることから人気が高まりました。2016年には岐阜レトロミュージアムが開業し、2019年にはベビースターのテーマパーク「おやつタウン」が開業しました。新しいタイプの駄菓子屋も登場し、限定営業再開した「まほろはな」や、「駄菓子屋乃瀧ちゃん」のように店舗数を増やす駄菓子屋もあります。また、営業休止のために売れなかった駄菓子を寄付する動きも見られ、駄菓子は根強い人気があるものの、利益が出にくくなっているため、終売商品も多くなっています。
近年の終売駄菓子には以下のものがあります:
2000年:ドンパッチ
2013年:ポテトスナック、ミルクパン(大黒屋本舗廃業)
2014年:下町焼きそば
2015年:カルミン(明治)
2016年:サイコロキャラメル(一般販売終了)、ぷくぷく串、わたパチ(明治)
2017年:梅ジャム(梅の花本舗廃業)
2018年:トンガリ菓子(井桁千製菓廃業)、ビンラムネ(委託生産先廃業、再生産の可能性あり)、カットよっちゃん(当り付き)、面白ボーイ(まるたけ食品工業廃業)、カレーせん(雷屋)
2019年:超ひもQグミ(明治)、まるたけドリンク(まるたけ食品工業)、花串カステーラ・鈴カステーラ(稲吉製菓廃業)
2020年:らあめんババア、けんこうカムカムスルメ足、くるくるぼーゼリー、のむんちょゼリー、まぜまぜくんゼリー、うまい棒チキンカレー味、カレー大根
特に2013年のポテトスナックの終了から販売終了の噂が増え始めました。2017年の梅ジャムの終了はオークションなどで高値で販売され話題となりました。超ひもQグミ(2019年販売終了)、サイコロキャラメル(2016年一般販売終了)、トンガリ菓子(2018年販売終了)も同様です。一般の菓子もカール、ピックアップ、ポポロンなどの販売終了が相次ぎました。
⑬新型コロナ期(2020~2022:新しい生活様式 値上げの時代)
駄菓子業界には新型コロナウイルスの影響も出ており、駄菓子屋の臨時休業や縮小営業が増えました。パッケージの変更や新商品リリースも増え、衛生的なパッケージが求められるようになりました。駄菓子製造メーカーが廃業しても、他に継承される例もあります。例えば、フラワーヨーグルで有名なダイケン製菓所は廃業予定でしたが、ヨーグル事業は神谷醸造食品に譲渡されました。ビンラムネも新たなメーカーが製造を引き継ぎました。梅ジャムのようになくなるものもありますが、今後もこのように承継されるケースが増えることを期待します。
2022年には多くの駄菓子が値上げされました。うまい棒が10円販売を終了し12円になったことや、チロルチョコが20円から23円に値上げされました。府中市には24時間営業の自動販売機を使った新しい駄菓子屋がオープンしました。新形態の駄菓子屋は駄菓子の値上げや廃番に左右されない利益源を他で確保する必要があります。
⑭アフターコロナ期(2023~:AI・円安・値上げの時代)
2022年9月には、ゴーゴーパイポチョコ、カラーペンチョコ、カンパイラムネ、ボトルサワーが30円から40円に値上げされました。2023年にはココアシガレットが10円値上げされ、一箱40円となりました。駄菓子とのコラボ商品も増え、タラタラしてんじゃね~よ味焼きそばなど他業界とのコラボが活発化しています。
アフターコロナ期(2023~:AI・円安・値上げの地代)
新型コロナの規制が終わり、町が賑わいを取り戻しつつありますが、電気代や物価の上昇が続き、駄菓子の値上げ発表も加速しています。駄菓子ブームは続いており、駄菓子をモチーフにした文具なども人気ですが、駄菓子屋の来客数は減少傾向にあります。生き残りをかけた新たな施策が求められる時代となりました。
駄菓子の歴史は多様であり、その背景には経済状況や社会の変化が大きく影響しています。駄菓子屋は子供たちの夢と楽しみの場所であり続け、現在もその文化は継承されています。
参考文献・WEBサイト
・2011年 駄菓子屋の現状と課題ー子供のコミュニティ掲載についてー 前川奈菜子
・改定版 まだある。(大空ポケット文庫)
・昭和こども新聞(昭和21年~37年) (日本文芸社)